企業が資金を調達する方法として、最近話題になっているのが売掛金現金化という手法ですが、使う場面はかなり限られているといっていいでしょう。売掛金現金化は、まず手数料がかなり高いので、資金調達方法としてはあまりおすすめできるものではありません。手数料は会社や条件によって違いますが、売却する売掛金の10~30%くらいが相場とされています。手数料を利息と考えれば、はっきりいって消費者金融並みの利率であり、これを頻繁に使っていたら、会社の財務がかなり圧迫されます。

資金繰りが悪化してしまう可能性もありますから、売掛金現金化はあくまでも臨時的に使うべきものだと言えるでしょう。低い利率で借りることができる銀行融資などを使えるのであれば、そちらを優先した方がいいはずです。また、売掛金現金化を利用するのは、事業が拡大しているような時に限った方がいいかもしれません。事業が縮小しているような時に利用すると、より資金繰りが厳しくなる可能性があります。

例えば、注文がどんどん入って、売上が右肩上がりになっているけれど、売掛金回収が追い付かずに手元の資金がショートしそうになっている時などは、売掛金現金化を使って一時的に資金調達をしてしのぐのはありでしょう。しかし、売上がろくに上がっていないのに、お金が不足している状態の時に売掛金を売って資金調達をしても、結局は会社の財務状況がより厳しくなる可能性が高いですから、このような時に利用するのはあまりおすすめできません。